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BCP(事業継続計画)の重要性と阪急CMとしての取り組み[後編]
前編ではBCPの解説として、策定運用のポイントや企業を取り巻くリスクについてお伝えしました。後編では施設建設時に考慮しておくべきBCP対応策についてご説明いたします。 施設建設時に考慮するべきBCP対応策 ソフトウェアとハードウェア 中核事業を継続するための障害となる資源(人、物、金、情報等)を災害の影響から保護する、または、代替の準備をするといった事前対策が必要です。事前対策は、「ソフトウェア対策」と「ハードウェア対策」の2つに大別できます。 一般的にハードウェア対策は、ソフトウェア対策に比べて導入資金が必要とされますが、会社には予算上の限度があるため、多額の費用が発生するハードウェア対策については、建物建設時に計画する方が効率よく整備できます。また、既存建物でも対策が可能なものもありますが、整備の限界や、コストが余計にかかる事もあります。その場合、本業での利益が出た時に、それを少しずつ事前対策に投資するようにして、数年間程度を目処に対策完了を目指すことも考えられます。 BCPは立案と運用が全てですが、立案に耐えるための施設整備がなされていないと不自由な面が出てきます。施設整備には建物の耐震化(免震化)、発電設備の整備、給水・排水の対策、空調・換気設備の対応等々、より良い施設計画に必要な内容が多々あります。 阪急CMの取り組みと対応 CM会社がお客様とコミュニケーションを重ねながらおこなうべき対応は、大きく以下の3つが挙げられます。 私たち阪急CMは、建築全般を専門とするプロジェクトマネージャーとして、多くの技術者(設計者、施工者、そのほか関連する各種環境コンサルタント)のマネジメントを行い、お客様の建設プロジェクトの成功とそれにより得られる高い施設品質(パフォーマンス)のご提供に貢献していきたいと考えております。 お問い合わせ、是非お待ちしております! 本ページ下の RELATED ARTICLE(関連記事) もぜひご覧ください。お問い合わせはこちらまで! ☞ CONTACT御精読ありがとうございました! ー Thank you for your reading! -
2024.01.29
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BCP(事業継続計画)の重要性と阪急CMとしての取り組み[前編]
BCPとは BCP(事業継続計画)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃等の緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段等を取り決めておく計画のことです。 緊急事態は突然発生します 有効な手を打つことができなければ、事業を縮小し従業員を解雇しなければならない状況や、廃業に追い込まれるおそれがあります。 緊急時に事業縮小や倒産を余儀なくされないために 平常時からBCPを周到に準備しておき、緊急時に事業の継続・早期復旧を図ることが重要となります。こうした企業は、顧客の信用を維持し、市場関係者から高い評価を受けることとなり、企業価値の維持・向上につながります。 BCPのポイント☞❶優先して継続・復旧すべき中核事業を特定する❷緊急時における中核事業の目標復旧時間を定める❸緊急時に提供できるサービスのレベルについて顧客と予め協議する❹事業拠点や生産設備、仕入品調達等の代替策を用意する❺全ての従業員と事業継続についてコミュニケーションを図る 策定と運用 計画立案と運用 BCPの策定と運用にあたっては、まずBCPの基本方針の立案と運用体制を確立し、日常的に策定・運用のサイクルを回すことがポイントとなります。 自社の事業を理解する 自社の中核事業及び重要業務を継続するために必要な資源(人、物、金、情報等)を「ボトルネック資源」と呼んでおり、中核事業、重要業務、資源の関係は、下図のようになります。例えば「人」には、会社の従業員や協力会社が含まれますし、「物」には、施設や設備、原材料、電力・ガス・水道といったインフラも含まれます。 ノウハウを最適化する BCPサイクルの継続運用☞❶どの商品を優先的につくるか、どのサービスを優先的に提供するかという経営判断を予め行っておく❷災害等が発生しても大きな被害を受けないように、中核事業に大きな影響を与える災害及び資源に対して 事前の対策を検討しておく❸中核事業に甚大な影響を与える可能性のある災害とその規模にもとづいて、BCP発動基準を定める❹維持・更新と、教育・研修を継続的に実施しながら、BCPを会社に定着させる❺BCPが会社の中核事業の復旧継続に本当に有効かどうかをチェックするとともに、会社に関する情報を 極力、最新の状態に維持しておく 企業を取り巻くリスク 企業を取り巻くリスクは多様であり、事業への影響の内容や規模もリスクによって異なります。各リスクの事業に対する影響や地域の災害特性、各企業の特徴等を考慮して、リスクへの対策を実施することが重要です。 クリックすると拡大します 後編では施設建設時に考慮しておくべきBCP対応策について触れています。本ページ下の RELATED ARTICLE(関連記事) も併せてぜひご覧ください。
2024.01.19
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土砂災害・洪水浸水災害の前兆と対応について
昨今の異常気象により、全国各地で記録的な大雨による土砂災害や洪水浸水災害が頻発しています。 そこで今回は周知とは思いますが、それぞれの災害が発生する前兆や、災害が発生した場合に被害に遭わないような対応について述べていきたいと思います。 土砂災害 土砂災害の種類と前兆 傾斜が急な山が多い日本では、大雨による土砂災害が発生しやすくなります。土砂災害には、斜面の地表に近い部分が、雨水の浸透や地震等で緩み突然崩れ落ちる「がけ崩れ」、斜面の一部あるいは全部が地下水の影響と重力によってゆっくり斜面下方に移動する「地すべり」、山腹や川底の石・土砂が長雨や集中豪雨によって一気に下流へ押し流される「土石流」があります。土砂災害が起こる前には様々な前兆現象が発生する場合があります(図1参照)。 土砂災害から身を守るために 自分の住む場所が「土砂災害危険個所」かどうかを確認 各都道府県では、土砂災害の危険性がある場所は「土砂災害危険個所」もしくは「土砂災害警戒区域」に指定しています。自宅がそうした場所にあるかどうかを国土交通省や市町村のホームページ、または直接問い合わせて確認しておきましょう。 雨が降り出したら「土砂災害警戒情報」に注意 大雨による土砂災害発生の危険度が高まったとき、避難勧告発令や自主避難の参考となるように、都道府県と気象庁は共同で「土砂災害警戒情報」を発表します。テレビ、ラジオの他に各都道府県や気象庁のホームぺージにも掲載され、補足情報として「土砂災害警戒判定メッシュ情報」がこのホームページ状に掲載されます。メッシュ情報は5km四方の領域毎に、2時間先までの土壌雨量指数(降った雨が土壌にどれだけ溜まっているかの指数)の予想を用いて、土砂災害の危険度の高まりを5段階で判定した結果を色別に表示します(図2参照)。 土砂災害警戒情報が発表されたら早めに避難 図2の「土砂災害警戒判定メッシュ情報」で「実況または予想で大雨警報の土壌雨量指数基準に到達」した領域(①赤色)の区域に住む人は、いつでも避難を開始できるように準備をしてください。 また「予想で土砂災害警戒情報の基準に到達」した領域(②グレー)に住む人は、命に危険を及ぼす土砂災害がいつ発生してもおかしくない状況となっているので、土砂災害危険箇所等の外の少しでも安全な場所へ避難してください。数年に1度しか発生しないような短時間の大雨を知らせる「記録的短時間大雨情報」が発表された場合も同様の行動をとって下さい。 さらに「実況で土砂災害警戒情報の基準に到達」した領域(③濃いグレー)に住む人は、過去の土砂災害発生時に匹敵する極めて危険な状況となるので、この段階までに避難を完了しておくようにするべきです。 激しい雨や暴風のために避難場所への避難が困難な場合は、近くの頑丈な建物の2階以上に避難してください。それが難しい場合は、家の中で崖や沢筋からなるべく離れた部屋や2階など、より安全な場所に退避しましょう。 洪水浸水災害 洪水浸水災害の種類と前兆 洪水浸水災害には大きく分けて次の2種類があります。 ・外水氾濫…大雨や雪解けによって、河川や湖の水の量が増え、氾濫したり堤防やダムが決壊して発生する。 ・内水氾濫…街中の排水が間に合わず、地下水路や側溝などから水が溢れだすこと。また、河川本流の排水が間に合わず支流に逆流したり河川から溢れること。 外水氾濫の前兆(水位がそんなに高くなくても) ・堤防の川側面が崩れ始める。 ・水が激流となって、堤防の土が削り取られたり、護岸が崩れ始める。 ・堤防の側面から水が漏れだす。 ・堤防に亀裂が生じる。 ・堤防近くの地盤から、水が噴出する。 内水氾濫の前兆 ・マンホールから空気が強く排出される(水が排出される場合は既に始まっている)。 ・支線河川の流れが通常とは逆になる。 ・側溝・水路の流れが通常とは逆になる。 ・道路の掘割部(アンダーパス部)に水が溜まり始める。 洪水浸水災害から身を守るために 洪水浸水災害は基本的に雨がもたらす災害で、対策や避難については土砂災害に通じるものがあります。 河川氾濫による浸水の危険があるかをハザードマップで事前に確認 河川から水が溢れた時に危険な場所なのかどうかは、各自治体から河川氾濫のハザードマップが公開されていますので、河川氾濫が起きた時にどれぐらい浸水する可能性がある場所なのかを事前に調べておきましょう。 ハザードマップは内水氾濫を想定した内水ハザードマップと、河川からの氾濫を想定した洪水ハザードマップの2種類が公開されている場合があります。今いる場所が浸水想定区域になっているかは、アプリ「わが家の防災ナビ※」の「ハザードマップ」で簡単にチェックすることができます。 ※アプリ「わが家の防災ナビ」についてを参照 近隣河川の水位情報をこまめに把握しておくこと インターネットの発達した現在では、事前に河川の水位を把握することができます。〇〇川水位と検索すれば多くの情報を得ることができます。図3に国土交通省河川事務所が発表している情報の一例を示します。 水害予兆と避難時の注意点 前述の情報確認はもとより、当然のことながら自分の地域で豪雨や長雨が続いていたり、近くの川の上流で豪雨や長雨が続いている場合は危険な状況であることを認識し、できれば夕方までに避難することが望ましいでしょう。以下に、浸水の深さによる避難時の注意点を述べます。 【想定浸水深】0.5m未満 ・地上が浸水すると、地下に一気に水が流れ込み、地下からの脱出は困難となる。 ・車での避難が危険な場合がある。 ・浸水の深さがひざ上になると徒歩による避難は危険となる。 ・避難が遅れた場合は、自宅等の上層階へ移動する。 ・マンション等の高い建物に居住している場合は無理に避難する必要はない。ただし、浸水が長時間継続した場合や孤立した場合の問題点について認識しておくことが必要。 【想定浸水深】0.5~3.0m ・1階の住民は床上浸水となり避難が遅れると危険な状況に陥るため、避難情報のみならず河川の水位情報等にも注意し、必ず避難所等の安全な場所に避難する。 ・水・食べ物・貴重品などを2階以上に持って上がる。 ・浸水が始まってからの避難は非常に危険なため、近くの丈夫な建物の2階以上に移動する。 ・マンション等の高い建物に居住している場合は無理に避難する必要はない。ただし、浸水が長時間継続した場合や孤立した場合の問題点について認識しておくことが必要。 【想定浸水深】3.0m以上 ・2階床面が浸水するため、2階建て住宅及び2階の住民は、避難が遅れると危険な状況に陥るため、避難情報のみならず、河川の水位情報等にも注意し、必ず避難所等の安全な場所に避難する。 ・高い建物の住民でも浸水深が深く、水が引くのに時間を要することが想定されるため、事前に避難所等の安全な場所に避難する。 おわりに 災害に遭わないためには今一度現在お住いの場所の状況を正確に把握しておき、いざという時には細かな情報収集や速やかな避難が重要となります。
2019.12.10